Prismatic Labyrinth番外編
　やきゅうけん☆ぷろろーぐ

ここは珠坂学園高等部。

季節は冬。
冬休みも間近い放課後の教室には、
難しい顔つきで額をつき合わせている３名の学生の姿があった。


怜史：クイズ大会にカラオケ選手権…か。
　　　　これでは駄目だな。
渉　　：じゃあ、柏村君はどんな企画だったらいいと思う？
怜史：先輩達が、あっと驚くような企画だ。
渉　　：口で言うのは簡単だけど…。
冬萌：あたしはヤだからね、クイズにカラオケなんて。
　　　　そんなんじゃ、ぜぇえ〜ったいに罰ゲーム決定だよ。
怜史：ふぅ…、我が演劇部にも困ったものだな。
　　　　毎年恒例の演劇部でのクリスマスパーティは一年生が指揮を取る
　　　　ことになっていて、
　　　　しかも先輩方を満足させるだけの企画を立てておかなければ
　　　　恐怖の罰ゲームが待っている…なんて。
渉　　：先輩方を楽しませることが出来なければ、一年生男子部員は
　　　　　全員「女装」の刑…。
冬萌：男子はいいじゃん、女装で済むんだから！
　　　　女子なんて全員ハゲヅラに鼻メガネ着用なんだよ！？
　　　　しかもそれで全員「記念写真」撮られちゃうってんだから、冗談じゃ
　　　　ないわよーっ！
渉　　：なにげに説明くさいね、ボクらの会話。
怜史：気にするな。

怜史：とにかく、この罰ゲームの話は本当らしい。
　　　　その証拠に、ここに一年生時代の松下先輩のチャイナドレス姿の
　　　　写真がある。
渉　　：う…わぁ…。
冬萌：あっはははは、松下先輩似合ってるーっ♪
　　　　眉間に縦ジワが３本も入ってるーっ。
怜史：先輩を笑っている場合じゃない。
　　　　僕達も今年のパーティを盛り上げなくては、この屈辱が待っているんだ。
　　　　ここはなんとしても、先輩方の度肝を抜き、かつ楽しませる企画を
　　　　考えなくてはならない。
渉　　：うん…そうなんだよね…。
　　　　でも、どんな企画なら先輩達は驚いてくれるんだろう。
冬萌：ねぇねぇ、「野球拳」なんてどうよ？
渉　　：や…っ。
怜史：野球拳！？
冬萌：そぉそぉ♪　ジャンケンして負けた方が脱いで行くっていうアレ☆
　　　　それくらい知ってるでしょ？
渉　　：だっ、だめだよそんなの！
　　　　いくらなんでも、松下先輩に怒られるってば！
　　　　「学生らしく」「健全」でないとダメだって言っていたし。
冬萌：だったら、「健全」な野球拳にすればいいじゃん。
渉　　：ジャンケンで服を脱いでいくゲームが、どう「健全」なんだよ〜っ！
怜史：…いや、面白いかもしれないな、それ。
渉　　：柏村君！？
怜史：真木、野球拳を健全にするいいアイデアがあるのか？
冬萌：んっふっふ〜♪
　　　　こういうのを考えたんだけど、どうかな…？

（以下、ゲーム本編へ続く♪）